
現場の変化に止まらず対応。両腕で作業し続ける、双腕AIロボット。

「人がロボットに合わせるのではない。ロボットが、人の意図と目の前の違いに合わせる。」
これまで自動化が難しかったのは、特別に複雑な仕事ばかりではありません。
部品の位置が少しずれる、形や硬さが一つずつ異なる、柔らかな袋がその都度違う姿勢になる、片手で支えながらもう一方の手で工具を使う。
人なら自然に吸収できるこうした「小さな違い」が、座標と動作をあらかじめ教え込む従来型ロボットには大きな壁でした。
Za-ARIQは、その壁を越えるために生まれた、固定式の双腕VLAロボットです。「Za」は日本語の「座」。移動することよりも作業台の前に安定して座し、両腕と指先で精密な仕事をやり遂げるという思想を表します。「ARI」はArithmerとArithmetic、すなわち数学を、「Q」はQuest、Quality、Questionを表し、問いを立て、より良い答えを探究し、確かな仕事の品質へつなげる知能を意味します。
だからこそ、Za-ARIQの原点にある言葉は「座るから、正確。」です。
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第一に、見える形を、意味のある空間として理解する力です。
Za-ARIQは、MIRAXIOMの高精度な画像認識と計量技術によって、対象物の位置、形状、大きさ、角度を捉えます。
所定の撮像距離、照明、校正条件のもとでは、0.1mm級の微細な差を見分けることを目指します。しかし、見えているだけでは、手は正しく動きません。
そこで内部にセマンティック空間データベースを構築し、対象物の名称、材質、用途、周囲との位置関係、過去の作業や結果までを、意味のつながりとして蓄積します。独自のVLAモデルは、この知識と今見えている状況を照合し、「何が、どこに、どのような状態であり、次に何をすべきか」を推論します。
初めて見る配置や個体差がある場合にも、検証済みの範囲で、触れる前に持ち方、十本の指の初期形状、両腕の役割、作業経路、注意すべき点を考え直せることが、固定座標を繰り返すロボットとの本質的な違いです。
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第二に、触れる前に考え、触れた後は現物に合わせて仕上げる力です。
固定式の安定した座標を基盤に、左右の腕は、支える、持ち替える、回転させる、差し込む、工具を扱うといった動作を協調して行います。
それぞれの五指は、つまむ、包む、押さえる、引くという人の手に近い多様な接触をつくり、指への動作指示を0.1秒周期で更新します。
さらに、指先の圧力や接触状態を感じ取り、硬い精密部品には正確に、柔らかな包装や壊れやすい対象にはやさしく、力加減と指の位置を補正します。
見る、考える、動く、感じる、確かめるという循環を閉じることで、記憶した軌道をただ再生するのではなく、現物の違いを受け止めながら仕事を完了させます。
作業後には、画像、設定、動作、検査結果を記録し、品質の追跡と次の改善にも生かせます。
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第三に、人が機械の言葉を覚えなくても、AIとの会話で仕事を教えられることです。
入力画面や管理画面で、例えば「この部品を検査して、向きをそろえて箱に入れたい」と短く伝えるだけで、AIが対象物、把持方法、力加減、動作経路、検査条件、安全条件などの設定候補を組み立てます。
そして「この方法でよろしいでしょうか」「この部分は人が確認しますか」と、やさしい言葉で問いかけます。利用者は会話しながら承認や修正を行い、最後の判断を自ら持ったまま、現場に合う設定を完成できます。
複雑なティーチングを人に押しつけるのではなく、人の意図をAIが機械の設定へ翻訳するUIです。複数台を導入する場合には、各AIが対象、場所、進捗、得意な作業を共有し、相談、役割分担、相互確認を行うことで、一台ずつを独立して動かす以上のチームワークも生み出します。
まず製造では、多品種の組立、コネクターやケーブルの接続、工具を用いた作業、製品を回転させながらの全周検査、梱包までを、一連の流れとして支援できます。製品や部品が変わるたびに繰り返していた調整を軽くし、品質のばらつきや作業の属人化を抑え、熟練者を改善、保全、新製品開発へ戻します。一工程の自動化にとどまらず、検査結果を前工程へ返し、工程全体をより良くしていけることも大切な価値です。
そして、Za-ARIQをはじめ、製造現場で鍛えられたArithmerのプロダクト群の高精度な技術は、工場の中だけに閉じるものではありません。対象を正しく見て測り、意味を理解し、安全を確かめながら動くという基盤を、繊細な手仕事が残るさまざまな業界へ展開していきます。
物流やECでは、形や包装の異なる商品のピッキング、照合、仕分け、箱詰めを支援し、取り違えや荷傷みを防ぎながら、繁忙時にも出荷を安定させます。
食品や日用品では、青果、柔らかな包装、形のそろわない品を傷めないように扱い、品質と衛生を守りながら、身体的な負担を和らげます。
小売では、オンライン注文品の照合、袋詰め、補充品の仕分けをバックヤードで担い、スタッフがお客様との会話や売場づくりへ向き合う時間を取り戻します。
製薬、バイオ、化学の研究現場では、バイアルの開閉、分注、混合、装置への投入、サンプリング、ラベル確認、記録を支援し、手順の再現性とトレーサビリティを高め、研究者を実験設計や解析へ集中させます。危険物を扱う工程では、人が直接触れる機会を抑えることにもつながります。
医療機器製造や医療材料管理では、精密部品の組立、器材の計数、セット組み、全周検査、包装を担い、取り違えを防ぎ、医療を支える品質への信頼を強くします。
医療ロボティクスでは、いわゆる「神の手」にたとえられるほど精緻な操作を、医師の直接的な管理のもとで支援する技術が、すでに実臨床で活用されています。Za-ARIQが目指す、熟練者の手技を理解し、再現可能な知識として残し、次の世代へ継承する思想も、その大きな進化の先につながっています。ただし、Za-ARIQによる臨床行為は将来の可能性であり、安全性と有効性の検証、清浄性、法規制、医療機器としての承認、医師による監督を前提に、慎重に進めるべき領域です。
リユース、修理、リサイクルでは、返却された機器を多角度から確認し、状態を分類し、工具で分解して、修理、部品回収、再資源化の適切な道へつなぎます。一台ごとに異なる状態へ柔軟に対応することで、査定のばらつきを抑え、再利用できる価値を丁寧に取り戻します。
設備やインフラの保守では、部品交換、計器確認、狭い場所での工具作業を支援し、危険で負担の大きい作業から人を遠ざけながら、点検の確実性を高めます。
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Za-ARIQは、人手不足だけを理由に海外へ移してきた工程を、国内で改めて検討する余地も生み出します。
すべての海外生産を戻すことが正解とは限りませんが、部材調達、設備、物流、品質、エネルギーまで含めて比較し、持続可能な工程が見つかれば、供給網を短く強くし、品質問題への対応を早め、大切な技術と製造ノウハウを国内へ蓄積できます。
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私たちは、すべての工程を直ちに自動化できるとは申し上げません。
Za-ARIQが目指すのは、人を減らすことではなく、反復作業や身体に負担の大きい仕事を引き受け、現場を支えてきた方々を、改善、品質、研究、接客、創造といった、より大切な仕事へ戻すことです。
MIRAXIOMで見て測り、セマンティック空間データベースで意味を理解し、独自VLAで動きを考え、十本の指と触覚で現物に合わせ、AIとの会話で人の意図を仕事へ変える。
座るから、正確。Za-ARIQは、これまで自動化を諦めていた手仕事に、新しい選択肢をお届けします。
