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現場の変化に止まらず対応。両腕で作業し続ける、双腕AIロボット。​

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【コンセプト】「座るから正確であり、考えるから柔軟である」技術思想

これは単に速く動くロボットでも、人の姿をまねた未来的な機械でもない、ということです。私たちが向き合ったのは、工場や物流センター、店舗、研究室などに今も残っている「最後の手作業」でした。部品がほんの少しずれる。商品ごとに形や柔らかさが違う。袋が毎回同じようには開かない。ねじの角度やコネクターの位置がわずかに変わる。そうした小さな違いは、人であれば目で確かめ、指先で感じ、無意識に力を加減して対応できます。しかし、決められた座標を繰り返す従来のロボットにとっては、停止や再ティーチングの原因となり、結局は熟練者が呼ばれて手直しをすることになります。ZA-ARIQは、その「現場では毎回少しずつ違う」という当たり前を受け入れたうえで、人の目と両手に残されてきた仕事を、無理のない一工程からAIロボット化するために生まれました。

Arithmerには、ARIQというヒューマノイドロボットがあります。ARIQが人のいる空間を移動しながら働く存在であるのに対して、ZA-ARIQの「ZA」は、日本語の「座る」「座」に由来します。作業台の前に人が座るように、安定した場所へ固定され、左右の腕と10本の指を使って仕事をする。その姿と役割を、そのまま名前に込めました。固定されているのは本体の基準座標であって、作業の仕方ではありません。むしろ、カメラ、両腕、作業台の位置関係を精密に校正できる固定式だからこそ、高い再現性を保ちながら、目の前の変化に合わせて動作を柔軟に変えられます。「座るから正確であり、考えるから柔軟である」。この一見相反する二つの価値を同時に届けることが、ZA-ARIQという名前に込めた技術思想です。

【高精度とフィジカル制御】0.1mm Vision、双腕10本指、触覚フィードバックの融合

一般に、産業用ロボットの高精度と柔軟性は、両立しにくいものだと考えられてきました。決められた動きを高い再現性で繰り返すロボットは、部品の位置や向きが変わると弱くなります。一方、さまざまな状況へ対応しようと自由度を高めれば、動作の安定性や精密さが課題になります。ZA-ARIQは、安定した固定基盤、高精度な視覚、VLAによる状況理解、双腕と10本指の制御、そして指先の触覚を一つの閉じた制御ループとして統合することで、このトレードオフを乗り越えようとしています。

第一に、ZA-ARIQの大きな強みは、固定された安定性と、対象物に合わせて変化する柔軟性を両立した「0.1mm Vision」です。 独自開発のビジョンランゲージモデルが、対象物を単なる点や輪郭として捉えるのではなく、「これは締めるべきねじである」「このコネクターは少し傾いている」「このラベルは基準位置からずれている」と、作業上の意味を含めて認識します。そのうえで位置、向き、隙間、状態を所定の条件下で0.1ミリ単位に測定し、把持点や工具の軌道を計算し直します。そのため、部品が定位置から少しずれても、すぐに停止するのではなく、ずれを測り、次の動きを修正して作業を続けられます。専用治具への依存を減らし、多品種少量生産や個体差のある製品にも対応しやすくなることは、従来型ロボットに対する明確な優位性です。ただし、0.1ミリという数値は、あらゆる環境で無条件に保証される万能な作業精度という意味ではありません。カメラ、レンズ、照明、作業距離、対象物の材質、校正条件によって結果は変わります。だからこそ私たちは、お客様の実際の対象物を使い、測定性能だけでなく、最終的な作業成功率や完成精度までPoCで確認することを大切にしています。

第二に、0.1秒ごとに左右それぞれの5本指へ次の動作を指示する、双腕・10本指の協調制御です。 ZA-ARIQは、物を一度つかんで運ぶだけではありません。つまむ、押さえる、持ち替える、回す、引く、差し込む、工具を握るといった動きを、対象物の状態に応じて細かく更新します。左手で筐体を安定させながら右手でドライバーを扱う、片手で袋の口を開いたまま、もう一方の手で商品を入れる、製品を両手で持ち上げて角度を変え、固定カメラから見えない裏面を検査するといった、人が両手で自然に行ってきた作業を一台に集約できます。0.1秒は指への動作指示を更新する周期であり、すべての動作が同じ速度で行われるという意味ではありません。必要な場面では速く、壊れやすい物を扱う場面では慎重に、作業にふさわしい速度と軌道を選びます。この「速さを競うのではなく、仕事を最後まで安定して完了させる」という考え方が、現場で役に立つロボットには重要だと考えています。

第三に、目で見るだけでなく、指先で感じた圧力をその場で動作へ戻す、触覚フィードバックです。 人は、柔らかい商品を持った瞬間に力を弱め、物が滑りかければ握り直し、コネクターを差し込む際には抵抗の変化から状態を判断します。ZA-ARIQも、指先の圧力センサーから情報を受け取り、握る力、押さえる力、押し込む力、回す力、持ち替えるタイミングを補正します。これにより、パウチやパンのような柔らかい物を潰さずに扱う、ガラス容器や精密部品を破損させずに移動する、ねじや嵌合部品へ必要以上の力を加えない、といった繊細な作業が可能になります。視覚で位置を測り、触覚で接触後の状態を確かめるからこそ、見た目だけでは分からない「きちんと入ったか」「滑っていないか」「強く握りすぎていないか」まで判断できます。破損や落下を減らすだけでなく、作業品質を数値として記録し、改善へつなげられる点にも大きな価値があります。

【VLAとマルチエージェント】自律的な状況判断と、工程全体を最適化するチーム連携

第四に、見る、測る、考える、動かす、触れる、結果を確かめるという一連の仕事を統合する、VLAのインテリジェンスです。 Vision-Language-Actionを意味するVLAは、カメラの画像を認識して終わるものではありません。作業の目的と現在の状態を結びつけ、「次に何をするべきか」を計画し、実行後の結果を確認して、必要であれば作業手順を組み替えます。例えば、ねじが予定位置にない場合は新しい位置を測り、工具の持ち方と進入角度を変える。袋の口が十分に開いていなければ、投入を強行せず、持ち直してから作業を再開する。検査で異常が見つかれば、その製品を分離し、再検査または人への確認依頼に回す。このように、最初から決められた動作を盲目的に繰り返すのではなく、目的を失わずに手段を変えられることが、VLAを持つZA-ARIQの独自性です。また、判断の確信度が低い場合や安全条件を満たさない場合には、人へ確認を求める設計にできます。何でも自動で進めることよりも、任せてよい範囲と人が判断する範囲を明確にすることが、お客様に安心して使っていただくために欠かせません。

第五に、複数のZA-ARIQや搬送ロボット、検査装置が互いに情報を伝え合い、マルチAIエージェントとして工程全体を最適化できることです。 一台ずつ個別に作業するだけでなく、それぞれが進捗、待ち時間、品質、異常、作業余力、判断の確信度を共有します。組立ロボットが「コネクターの挿入力が基準より高い」と報告し、検査ロボットが「同じロットで位置ずれが増えている」と伝えれば、上位の工程最適化AIは、対象ロットの検査を増やし、供給位置を補正し、別のロボットへ作業を振り分けます。ここでいうロボット同士の「会話」は、自然言語だけに頼るものではなく、進捗、品質値、異常コード、画像、座標などの構造化されたデータを安全に共有する協調制御です。0.1秒ごとの指先制御や安全停止は、それぞれのロボット内部で確実に実行し、マルチAIは作業分担や順番、品質判断といった上位の計画を担います。単体の省人化を超えて、工程間の待ち時間、仕掛品、ボトルネックまで減らせることが、ZA-ARIQを作業機械ではなく「現場作業のAIプラットフォーム」と呼ぶ理由です。

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【産業別事例】製造業での自動化と、国内生産回帰(リショアリング)が拓く未来

それでは、ZA-ARIQが実際の業界でどのように役立つのかを、少し具体的に見てみたいと思います。ここからお示しする数値は、すでにすべての現場で達成された実績を表すものではなく、対象工程を確認したうえでPoCに設定する目標レンジです。製品構成、稼働時間、現在の自動化率によって結果は変わるため、導入前後で同じ条件をそろえ、作業時間、停止時間、人の介入回数、成功率、不良率、仕掛品などを比較します。数字を大きく見せることではなく、お客様の現場で再現できる効果を一緒に確かめることが、最も誠実な導入方法だと考えています。

自動車、電子機器、精密機械の製造現場では、片手で筐体を押さえ、もう一方の手でコネクターを挿入し、ねじを締め、その後に製品を持ち上げて全周を検査する工程が有力な対象です。複数のZA-ARIQが部品供給、組立、検査を分担し、位置ずれや締付結果を共有すれば、不具合の兆候を上流へ戻すこともできます。PoCでは、直接作業時間30~50%削減、段取り・再ティーチング時間40~70%削減、手直し20~40%削減、処理能力10~25%向上、直接作業や停止、手直しを含む工程コスト15~30%削減を目標として検証できます。仮に4人で担当している工程の作業時間を40%削減できれば、1シフト当たり1.6人分に相当する時間を、品質改善、設備保全、新製品の立ち上げなど、より価値の高い業務へ振り向けられます。

そして、この自動化には、一工程の効率化を超えた経営的な可能性があります。日本で組立や検査を担う人材を確保できないため、本来は国内で生産したい製品を海外工場へ移している企業もあります。ZA-ARIQによって人手への依存を抑えた生産体制を構築できれば、海外へ移した工程を日本へ戻す「国内生産回帰」が、現実的な選択肢になります。海外生産には現地の製造費だけでなく、国際輸送、通関、長い輸送期間、輸送中在庫、安全在庫、緊急輸送、品質確認、為替変動、地政学的な供給停止など、目に見えにくい負担があります。事前シミュレーションでは、国内回帰によって調達・供給リードタイム30~70%短縮、輸送中在庫と安全在庫15~35%削減、緊急輸送や納期調整30~60%削減、不良発生から原因確認・工程修正までの時間50~80%短縮を、検証指標として設定できます。すべての海外生産を国内へ戻すことが常に最適とは限りませんが、製造、物流、在庫、品質対応を合わせたサプライチェーン全体の負担を10~25%削減できる可能性まで比較すれば、これまで人手不足を理由に諦めていた国内生産を、改めて検討できます。需要地に近い日本でつくることは、技術や製造ノウハウの継承、仕様変更への迅速な対応、事業継続力の向上にもつながります。

【産業別事例】食品、物流、店舗、研究、医療、リサイクルでの多角的アプローチ

食品、化粧品、日用品の現場では、種類や形状が変わる商品の袋詰め、箱詰め、ラベル照合に適しています。ZA-ARIQが片手で袋を開き、もう一方の手で商品を入れ、重い物を下へ、壊れやすい物を上へ配置します。商品供給、包装、検査を担当するロボットが混雑状況を共有すれば、空いているロボットが包装作業を引き継ぐこともできます。目標レンジは、包装作業時間25~45%削減、潰れや容器破損30~60%削減、商品切り替え時間30~60%削減、処理能力10~25%向上、工程コスト15~25%削減です。食品を直接扱う場合は、食品対応ハンド、洗浄性、衛生管理、異物混入対策を別途確認します。できることだけでなく、守るべき条件も最初に明確にすることで、安心して継続運用できる工程になります。

物流、EC、フルフィルメントセンターでは、コンテナ内の商品を取り出し、注文情報と照合し、適切な箱や袋を選び、投入順を考えて梱包する一連の仕事に活用できます。ピッキング、梱包、出荷検査の各エージェントが注文締切と作業量を共有し、混雑した作業台から空いている作業台へ仕事を振り分ければ、特定工程だけに荷物が滞留する状況を減らせます。PoC目標は、作業時間20~40%削減、注文処理時間15~35%短縮、誤出荷30~60%削減、処理能力15~30%向上、工程コスト15~30%削減です。例えば1日1,000件の出荷で、1件当たり30秒を短縮できれば、1日約8.3時間、ほぼ一人が一日働く時間に相当する余力が生まれます。繁忙期の採用が難しい現場ほど、この余力は安定した出荷を守る力になります。

スーパーマーケット、ドラッグストア、量販店などの小売業では、オンライン注文商品の照合、品質確認、袋詰め、店頭補充品の仕分けを店舗のバックヤードから支援できます。在庫管理AIや搬送ロボットと連携し、注文締切、消費期限、欠品リスクに応じて優先順位を変更すれば、単なる袋詰め機ではなく、店舗運営を支える一員になります。想定する目標は、バックヤード作業20~35%削減、注文準備時間15~30%短縮、入れ忘れや数量違い30~60%削減、工程コスト10~20%削減です。1店舗で1日60件の注文を扱い、1件当たり2分短縮できれば、1店舗で1日120分を接客や売場づくりへ戻せます。100店舗なら1日200時間です。人を減らすためではなく、限られたスタッフがお客様と向き合う時間を増やすための自動化として、ZA-ARIQをお使いいただきたいと考えています。

製薬、バイオ、化学、創薬研究では、バイアルの開栓、分注、混合、撹拌、装置への投入、サンプリング、ラベル確認と記録など、手順が多く反復性の高い実験を支援できます。検体準備、分析装置、洗浄を担当するエージェントが装置の空き時間と検体の状態を共有し、待ち時間が少なくなるように実験順序を組み替えます。PoCでは、研究者の手作業30~60%削減、実験処理数20~40%向上、手順逸脱や記録漏れ30~60%削減、危険物への接触時間40~70%削減、工程コスト15~30%削減を目標にできます。研究者が1日5時間を反復操作に使っている場合、その50%を任せられれば、1人当たり2.5時間を実験設計や解析へ振り向けられます。清浄性、安全性、実験プロトコル、バリデーションを満たすことを前提に、研究者の代わりではなく、研究者の可能性を広げるパートナーとして導入します。

医療機器製造や医療材料管理では、精密部品の組立、製品を回転させながら行う全周検査、器材の計数、セット組み、包装に活用できます。検査エージェントが異常傾向を検出したとき、単に不良品を取り除くだけでなく、組立エージェントへ情報を返し、把持位置や締付条件の見直しにつなげます。目標レンジは、作業時間25~45%削減、セット内容や数量の間違い30~60%削減、手直し20~40%削減、工程コスト15~25%削減で、作業条件と検査画像の記録率は100%を目指します。サイクルタイムが適合する工程では、例えば20%の抜き取り検査から100%の全数検査へ広げることも検討できます。医療に関わるからこそ、効率だけを追わず、法令、品質管理、安全性の確認を一つずつ積み重ねます。

リユース、修理、リサイクルの分野では、返品されたスマートフォン、小型家電、業務機器などを持ち上げ、傷、変形、欠品を多角度から確認し、状態を分類した後、工具を使って分解する仕事が考えられます。査定、動作確認、分解、部品回収のエージェントが情報を共有し、「修理して再販する」「部品として回収する」「素材として再資源化する」という最適な経路を選びます。PoC目標は、査定・分解時間25~45%削減、査定結果のばらつき30~60%削減、処理能力15~30%向上、再利用可能部品の回収率3~10ポイント向上、危険部品への接触時間40~70%削減、工程コスト15~30%削減です。一台ごとに状態が違うため固定動作では自動化しにくかった領域ですが、まさにその個体差こそ、見て、考え、触れて対応するZA-ARIQの価値が生きるところです。

さらに、これらの現場で複数のロボットをマルチAIエージェントとして連携させると、単体導入による効果に加えて、工程間の待ち時間10~25%削減、仕掛品10~25%削減、異常発生後の再計画時間30~60%短縮、設備稼働率3~10ポイント向上、工程全体の処理能力8~20%向上をPoC目標として検討できます。ただし、これらの数値は業界別の効果と重なる部分があるため、単純に足し合わせることはしません。どの効果が単体ロボットによるものか、どの効果が工程連携によるものかを分けて測ることで、次の投資判断に使える信頼性の高いデータになります。

【導入プロセスと効果検証】1つの工程から始め、働く時間を生み出す無理のない進め方

ZA-ARIQの導入にあたり、最初から工場や店舗全体を変えていただく必要はありません。まず、「位置ずれで止まりやすい一工程」「熟練者が付きっきりになっている一作業」「検査漏れが起きやすい一ポイント」を一緒に選びます。そして、導入前に作業時間、停止時間、再ティーチング時間、人の介入回数、成功率、不良率を測り、同じ製品構成と稼働条件で導入後を比較します。削減時間を年間の労働時間で割れば、何人分に相当する作業を補完できたかも確認できます。例えば年間1,920時間を一人分の目安とすれば、年間3,840時間の反復作業を自動化できた工程は、二人分の働く時間を生み出したことになります。その時間をどこへ振り向けるかは、お客様の経営課題に沿って考えます。

【真の価値】最後の手作業をAIロボット化し、人がより大切な仕事に集中できる現場へ

私たちがZA-ARIQで目指しているのは、人の仕事をただ機械に置き換えることではありません。これから働き手が少なくなる中で、現場を支えてきた方々が、毎日同じ反復作業や、身体に負担の大きい作業、注意を切らせない検査だけに時間を使い続けることは難しくなります。熟練者が持つ判断や手技をAIへ継承し、若い人が学びやすい形にし、人は改善、品質、研究、接客、創造といった、より大切な仕事へ集中する。そのためにロボットが隣で働くことが、ZA-ARIQの描く現場です。

高精度だから、変化に弱いのではありません。柔軟だから、精度を諦めるのでもありません。安定した場所に座り、0.1ミリ単位で見て、0.1秒ごとに10本の指を動かし、圧力を感じ、結果を確かめる。そして、仲間のロボットと状況を伝え合い、工程全体が滞らないように仕事を組み替える。ZA-ARIQは、ずれても止まらず、変わっても考え直し、人が目と両手で行ってきた最後の手作業を、一工程から丁寧にAIロボット化します。

座るから、正確。見て、考え、触れるから、柔軟。もしお客様の現場に、「自動化したいけれど、毎回条件が少し違うから難しい」と諦めてきた工程があるなら、まずはその一工程を私たちに見せてください。できることと、まだ難しいことを率直にお伝えし、お客様にとって本当に意味のある数字を一緒に確かめながら、ZA-ARIQが働ける最初の仕事をつくってまいります。

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