
保守点検・作業支援 AIエージェント
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「現場に眠る技を、声でつなぎ、誰もが使える会社の知能へ。」
ある工場で、夜間に生産設備が突然停止したとします。画面には見慣れないエラーコード。対応するのは、配属されてまだ日の浅い技術者です。マニュアルはあるものの、数百ページのPDFのどこを見ればよいのか分かりません。過去にも似た故障があったようですが、記録は共有フォルダの奥にあります。設備に詳しいベテランは別の現場にいて、すぐには連絡がつきません。
このとき必要なのは、インターネット上の一般的な設備知識ではありません。「この工場の、この設備で、この症状が起きたとき、最初に何を確認すべきか」という、その会社、その現場に固有の知識です。
同じことは、製造業以外の現場でも起きています。建設現場では、安全を守る施工手順が必要です。物流センターでは、停止したコンベアを一刻も早く復旧させなければなりません。食品工場では、洗浄方法やアレルゲン切り替え時の確認が品質を左右します。ビルメンテナンス、介護施設、農業、インフラ、自動車整備、小売、ホテルなど、現場のあるところには、その場所で長い時間をかけて積み重ねられてきた知識があります。
しかし、多くの会社で、その大切な知識は、紙、PDF、Excel、写真、図面、動画、共有フォルダ、個人のノート、そして熟練者の頭の中に分散しています。知識が存在しないのではありません。必要な人へ、必要な瞬間に、使える形で届いていないのです。
WazaNoaは、この課題を解決するために生まれました。
Wazaは、現場で長年磨かれてきた「技」を表します。それは単なる作業手順ではありません。設備のわずかな音の違いに気づく感覚、故障原因を疑う順序、安全を守るための判断、季節や環境によって変わる設備の癖など、経験の中で培われた知恵そのものです。
NOAは、Next On-site Assistant、すなわち「次世代の現場支援アシスタント」を意味します。現場で働く方に代わってすべてを判断する存在ではなく、その方がより安全に、自信を持って判断できるよう、必要な知識をそっと差し出す存在です。
そしてWazaNoaという名前には、もう一つ、「声でつないで、技の輪をつくる」という思いを込めています。一人の経験を次の世代へ、一つの現場の気づきを別の拠点へ、今日の質問を明日の会社の知識へつないでいく。WazaNoaが目指すのは、質問に答えて終わるAIではなく、現場とともに会社の知識を受け継ぎ、活用し、育てていく仕組みです。

第一の強みは、散在する資料と、言葉になっていない暗黙知を「根拠のあるAI資産」へ変えられることです。
会社には、設備マニュアル、点検手順、故障履歴、安全規則、ヒヤリハット、写真付き手順書、教育資料、図面、動画など、すでに多くの情報があります。WazaNoaは、それらを知識ベースへ取り込み、設備、工程、拠点、作業、危険項目などの関係を整理します。作業者から質問を受けると、設備名、エラー、現在の工程、症状、利用者の役割などを踏まえて関連情報を絞り込み、回答とともに根拠となるマニュアルや過去事例を示します。
ただし、資料を集めるだけでは、本当に価値のある知識ベースにはなりません。現場を支えている重要な知恵の多くは、熟練者の頭の中にあり、ご本人にも簡単には説明できないからです。
例えば、「このポンプの調子が悪いとき、何を見ますか」と尋ねても、ベテランの方は「音を聞けば分かる」と答えるかもしれません。それは知識がないのではありません。長年の経験によって判断が自然に行われているため、どこに着目し、どのような順番で考えているのかをご本人も言語化しにくいのです。
そこでNOAは、回答の内容に合わせて優しく質問を深めます。「正常な音とは、どのように違いますか」「その音がしたとき、最初にどこを確認しますか」「温度や振動にも特徴はありますか」「部品を交換する前に確かめることはありますか」「見逃すと危険な兆候は何ですか」。一度に多くを尋ねるのではなく、会話の流れに沿って、一つずつ思い出しやすい問いを投げかけます。
すると、「冬季は粘度の影響も確認する」「振動だけで判断せず、差圧の上昇と組み合わせて見る」「この型式では右側の接続部から先に点検する」といった、通常のマニュアルには書かれていない判断が自然に言葉になります。NOAはそれを、判断の順序、理由、適用条件、例外、安全上の注意、関連する写真や図面などに整理し、熟練者や管理者の確認を経て知識ベースへ登録します。
一般的な生成AIは、幅広い知識を使って一般的な回答を返すことに優れています。一方、WazaNoaが扱う中心は、「この会社、この拠点、この設備、この手順」に固有の知識です。しかも、どの資料や誰の確認に基づく情報なのかをたどれるようにすることで、現場で欠かせない説明可能性と信頼性を保ちます。文書を探しやすくするだけではなく、まだ文書になっていない知恵まで引き出し、会社に残せることが、第一の独自性です。

第二の強みは、音声と画面を役割分担させ、作業を止めずに必要な情報を届けられることです。
現場では、パソコンの前に座って質問できるとは限りません。手袋をしている、工具を持っている、高所や狭い場所にいる、設備から目を離せないなど、文字入力や資料検索が難しい状況が数多くあります。
WazaNoaでは、骨伝導マイクなどを通じて、「NOA、このエラーの確認手順を教えて」「次はどこを点検すればよいですか」と声で尋ねられます。NOAは、対象設備、作業工程、エラーや症状、安全条件を踏まえ、最初に確認すべき内容を短い音声で順番に案内します。
同時にスマートフォンには、設備写真、部品図、点検位置、チェックリスト、過去の類似事例、マニュアルの該当箇所などを表示します。音声は、確認の順序や緊急時の注意を素早く伝えるために使い、画面は、位置、形状、複雑な手順、根拠資料を確かめるために使います。
音声だけでは、細かな図面や複雑な条件を把握しにくくなります。一方、画面だけでは、作業中の検索や操作が負担になります。WazaNoaは、どちらか一方に無理をさせません。「声で尋ね、耳で理解し、画面で確かめ、そのまま作業する」という自然な流れをつくることにより、デモのときだけではなく、現場で毎日使えるAIを目指しています。
先ほどの若手技術者が「NOA、E204の最初の確認を教えて」と尋ねれば、NOAは対象設備の情報と過去履歴を参照し、「過去にはフィルターの目詰まりが多く発生しています。設備を安全な状態にしたうえで、まず差圧を確認してください」と案内します。画面には差圧計の位置、正常範囲、点検写真、過去の復旧記録が表示されます。
ここで大切なのは、AIが原因を安易に断定しないことです。根拠に基づいて確認の順序を提示し、判断条件を外れた場合や危険を伴う場合には、作業を止め、専門担当者へ連絡するよう案内します。現場支援AIには、便利さと同じくらい、この慎重さが必要です。

第三の強みは、人、シフト、拠点、言語の間にある情報の壁をなくし、日々の現場を組織の集合知へ変えられることです。
第一の強みが「知識を集め、使える形にすること」であるのに対し、第三の強みは「その知識を人と人の間で循環させること」です。
例えば仕事の申し送りでは、NOAが「完了していない作業はありますか」「次の担当者が注意すべき設備はありますか」「通常と違う音、温度、振動はありませんでしたか」「安全上、必ず伝えることはありますか」と順番に問いかけます。回答は設備や重要度ごとに整理され、写真や作業記録とともに次のシフトへ渡されます。口頭だけの申し送りで起きやすい伝え忘れや解釈の違いを抑え、必要な情報を会社の知識として残せます。
NOAの質問に複数の人が答えることで、アンケートとしても利用できます。例えば、新しい点検手順について、「分かりにくい箇所はどこか」「実際にはどの工程で時間がかかるか」「危険を感じる場面はあるか」と問いかければ、日常の会話に近い形で現場の意見を集められます。
回答は単純な多数決にするのではなく、共通する意見、職種や拠点による違い、少数ではあっても安全上重要な指摘などに整理します。一人の声を平均の中に埋もれさせず、違いも含めて見えるようにすることで、改善すべき論点を早く発見できます。
さらに、日本語で登録された手順を、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語などで案内できます。文章を翻訳するだけではなく、写真や図解、確認項目を組み合わせ、重要な安全事項を同じ順序で伝えます。新人や外国人スタッフにとっては、分からないことを周囲へ何度も尋ねる心理的な負担が減り、教育担当者にとっては、同じ説明を繰り返す時間を抑えられます。
技能継承、多言語教育、申し送り、アンケートを別々の仕組みで管理するのではなく、NOAとの自然な対話を共通の入口にする。一人の知識を一人の中で終わらせず、シフトや拠点、言語を越えて共有できる状態にすることが、第三の強みです。

第四の強みは、現場のフィードバックと専門家の確認を重ねながら、信頼できる会社専用AIへ育てられることです。
WazaNoaは、導入した日が完成ではありません。現場では毎日、新しい質問、新しい設備、新しい事例が生まれます。昨日まで正しかった手順が、設備更新や規則変更によって変わることもあります。
そこで、作業者からの質問、NOAの回答、実際の作業結果、現場からの修正提案、ベテランや管理者による確認、知識ベースの更新という循環をつくります。「この案内で復旧できた」「今回の症状では別の確認が先だった」「この表現は新人には分かりにくかった」といった声を、次の回答改善へ生かします。
ただし、現場で交わされた会話をAIが無条件に覚えるわけではありません。誤った判断や一時的な例外まで、正しい知識として広がってしまえば危険だからです。WazaNoaでは、修正内容をベテランや管理者が確認し、承認された情報を反映します。更新日時、確認者、根拠資料、過去の版を管理し、利用できる知識も業務や権限に応じて設定します。
これにより、使うほど会社に合っていくだけでなく、人が責任を持って確かめながら安全に育てられます。会社専用AIとは、必ずしもAIモデルそのものを無制限に再学習させることではありません。会社固有の知識ベースと承認された運用ルールによって、設備の癖、独自の判断基準、例外条件、現場で理解されやすい表現を反映していくことです。
誰かが退職しても、部署を異動しても、海外拠点が増えても、確認された知識は会社に残ります。AIが人を置き換えるのではありません。人が築いた経験を尊重し、会社が大切に受け継げる形にするのです。

第五の強みは、一つの基盤を多様な業界へ展開し、蓄積した現場知識を品質管理や商品開発にまで広げられることです。
WazaNoaの基本的な仕組みは、特定の設備や一つの業界だけに閉じていません。音声対話、知識検索、根拠表示、申し送り、承認、フィードバックという共通基盤を保ちながら、業界や現場ごとに知識ベース、質問内容、確認手順、利用権限、画面表示を切り替えられます。
製造業では、設備故障、保全点検、品質異常への初動を支援します。マニュアルや過去事例の検索時間を30〜70%削減し、異常発生時の初動確認を30〜50%短縮することを導入目標にできます。
建設現場では、施工図面と安全ルールを参照しながら、作業者の言語に合わせて手順を案内します。作業説明時間を30〜60%、手順確認時間を20〜40%短縮し、現場監督の負担軽減と施工品質の標準化を支援します。
物流センターでは、コンベアや自動倉庫が停止した際の一次確認を案内し、復旧までの対応時間を20〜40%短縮することを目指します。専門担当者へ引き継ぐ際にも、確認済みの項目と現場の状況を整理して伝えられます。
食品工場では、洗浄、衛生管理、アレルゲン切り替え、製品変更時のチェックに活用できます。衛生記録の作成時間を30〜60%、確認漏れを20〜50%削減することを目標にし、品質管理を日々の作業の中へ組み込みます。
ビルメンテナンスでは、空調、ポンプ、電気、防災など、多種類の設備を扱う巡回点検を支援します。点検順序を音声で案内し、結果をその場で記録することで、巡回時間を15〜30%、報告書作成時間を30〜70%短縮することが期待できます。
自動車整備では、車種ごとの整備情報、締付トルク、警告灯、修理履歴を確認しながら作業できます。資料検索時間を30〜60%削減し、若手整備士の教育期間を20〜40%短縮することが目標になります。
介護施設やホテルでは、夜勤から日勤への申し送り、施設設備や機器の扱い、多言語教育を支援し、外国人スタッフへの説明時間を30〜60%、教育担当者の負担を20〜50%削減することを目指せます。医療・介護分野では診断や治療判断を代替せず、設備管理、機器操作、教育、申し送りなど、適用範囲を明確にして利用します。
農業では、農機、灌水設備、ハウス環境、季節ごとの作業の知恵を残せます。電力、水道、ガス、通信などのインフラ分野では、設備履歴の検索時間を30〜60%、復旧手順の確認時間を20〜40%短縮することを目標にできます。
これらの数字は、標準的な業務モデルをもとに設定する導入目標例であり、効果を保証するものではありません。現在の業務、登録される情報、設備構成、運用方法によって結果は異なります。そのため、最初に現状の検索時間、確認時間、教育時間などを測定し、試行導入後の変化を比較して、実際の効果を確かめることが大切です。
さらに、NOAを通じて集めたアンケートや現場の回答は、改善活動にも活用できます。品質管理では、熟練者、検査担当者、製造担当者、顧客対応担当者などの視点を整理し、不良が発生しやすい条件や、見逃されやすい兆候を検討できます。
新商品の企画では、複数の利用者や現場の回答をもとに、知識ベース上に仮想的な利用者像、いわゆる「仮想ペルソナ」を構成し、その視点を持つNOAと対話できます。「高齢の利用者には操作が難しくないか」「保守担当者にとって交換しやすい構造か」「外国人スタッフにも表示を理解しやすいか」と問いかけることで、設計の初期段階から多様な観点を検討できます。
もちろん、仮想ペルソナは、実際のお客様への調査や専門家の評価を置き換えるものではありません。しかし、蓄積された回答から論点を広げ、見落としを減らし、実際の調査で確かめるべき仮説をつくるためには有効です。現場支援から始まった知識を、教育、品質管理、業務改善、商品設計へ広げられることが、一つの用途で終わらないプラットフォームとしての優位性です。
「自社の資料は整理されていないので、導入は難しいのではないか」と心配されるお客様もいらっしゃいます。しかし、最初からすべての資料を整える必要はありません。むしろ、知識が散らばっている会社にこそ、WazaNoaを導入する意味があります。
まずは、停止したときの影響が大きい設備、教育負担の高い作業、申し送り漏れが起きやすい工程など、一つの現場、一つの課題から始めます。現在どれほどの時間がかかっているかを測り、必要な資料と熟練者の知識を取り込み、実際の現場で使っていただきます。その結果を見ながら、回答の有用性、使いやすさ、安全性を確認し、効果が確かめられた範囲から横へ広げます。
WazaNoaが大切にしているのは、「AIがすごい」と感じていただくことではありません。「これなら現場の人が無理なく使える」「この知識を次の世代に残せる」「困ったときに安心して最初の一歩を踏み出せる」と感じていただくことです。
現場の知識を集める。必要な瞬間に届ける。人と人をつなぐ。確かめながら育てる。そして、その価値を業界や業務の壁を越えて広げる。この五つが一つの流れとしてつながっていることが、WazaNoaの本当の強さです。
冒頭の若手技術者が次に同じエラーへ直面したときには、ベテランを探して待つだけではなく、NOAへ質問し、根拠を確認しながら最初の対応を進められます。その結果は現場からフィードバックされ、ベテランが確認し、次の回答へ反映されます。今日の一つの質問が、明日には会社全体で使える知識になるのです。

もし御社にも、「この知識だけは失いたくない」「この作業を、もっと安全に次の世代へ伝えたい」と感じる現場が一つでもございましたら、まずはその一つの課題からお聞かせください。
大きな仕組みを一度に導入するのではなく、実際の資料と現場の言葉を使った小さなデモから、WazaNoaが本当に御社のお役に立てるかを、一緒に確かめていきたいと考えています。
