
「歩くAIスタッフ」話せる、運べる、見守れる犬型AIエージェント






人の言葉を仕事に変え、必要な場所へ歩いて確かめる――HACHICLEは、人にしかできない仕事へ時間を戻す「歩くAIスタッフ」です。
HACHICLEという名前には、人のそばで誠実に働き、必要な場所へ自ら向かう存在でありたいという思いが込められています。「HACHI」は、親しみのある犬を思わせる忠実さ、信頼、見守りを表し、「CLE」には、現場を巡り続けるCycle、人と場所を結ぶCircle、必要なときに駆けつけるComeという意味を重ねました。「ハチクル」と自然に呼びかけられる名前も、機械を遠い存在にせず、同じ現場で働く仲間として受け入れていただくための大切な設計です。
私たちが目指したのは、四足歩行ロボットというハードウェアをお届けすることだけではありません。受付で質問に答え、目的地まで案内する。施設を巡り、設備を見て、計器を読み、変化を記録する。異常が疑われる場所へ人より先に向かい、映像と状況を知らせる。そうした一連の仕事を、会話から理解し、現実の空間で最後まで実行できるAIソフトウェアこそ、HACHICLEの本質です。
Arithmerのプロダクト群を人の身体に例えるなら、MIRAXIOMが目、MoirAIが頭脳、ALATISが耳と鼻、WazaNoaが口に当たり、HACHICLEは、それらの知覚、判断、対話の機能を必要な場所まで運ぶ「足」に当たります。単に移動するのではなく、見て、考え、話し、行動し、その結果を記録して人へ返す。画面の中にいたAIを現場へ連れ出し、実際の仕事につなげる存在です。
第一に、独自のVLA技術によって、自然な言葉から現場で実行できる仕事を組み立てられることです。
利用される方は、HACHICLEへ直接話しかけるか、管理画面に実現したいことを短く入力するだけです。たとえば「閉館後に各階を巡回して、開いた扉があれば知らせて」と伝えると、AIが対象となる場所、巡回の順序、確認項目、通知先、安全条件などの詳細を予測し、「この設定でよろしいですか」とやさしく問いかけます。人はAIとの会話を通じて内容を確かめ、必要な部分だけを直せばよいため、複雑なロボット操作や細かな設定方法を覚える必要はありません。
その背後では、見るためのVision、言葉を理解するLanguage、動くためのActionを統合した独自モデルが、必要な機能を選び、組み合わせ、実行可能な仕事へ変換します。曖昧な依頼をそのまま動作へ移すのではなく、AIが不足している条件を補い、人の確認を受けてから実行することで、使いやすさと安心を両立しています。多言語にも対応しているため、外国人スタッフからの指示、海外からのお客様への案内、海外拠点での運用にも、同じ仕組みを展開できます。
第二に、セマンティック空間データベースによって、現実空間に「意味」と「履歴」を与えられることです。
HACHICLEは、カメラや距離センサーから得た三次元情報と画像を位置座標へ結びつけ、部屋、通路、階段、設備、扉、計器、立入注意区域などを、単なる形ではなく意味のある情報として内部に蓄積します。独自のVLAモデルはこの知識基盤を参照し、「何が、どこにあり、そこで何を確認すべきか」を理解して、周囲の状況に合わせながら対象へ向かいます。
同じ地点から継続して取得した画像、メーター値、温度、音、振動などは、場所と時刻にひも付いた履歴になります。Arithmerの数理モデルは、設備ごとの通常状態と変化の傾向を踏まえて「いつもと違う」を捉え、該当する画像、変化の内容、発見した場所とともに人へ知らせます。HACHICLEが故障や危険を一方的に断定するのではありません。人が早く状況を把握し、根拠を持って落ち着いて判断できるよう、必要な材料を届けます。
第三に、一台では時間帯に応じて役割を変え、複数台では互いに会話しながら仕事を分担し、お客様専用のAIチームへ育っていくことです。
朝は来訪者を迎え、昼は施設内を案内し、夜は警備巡回へ移り、早朝には設備を点検する。同じ一台が、時間帯と業務ルールに合わせて役割を切り替えられます。
さらに広い施設では、複数台のHACHICLEが互いの位置、担当業務、発見した変化、作業の進み具合を会話によって共有し、自律的に役割を分担します。一台が設備を点検し、別の一台が通路を巡回し、もう一台が物品を搬送する。異常を見つけた機体がほかの機体へ状況を伝え、必要に応じて応援や再確認を依頼することもできます。人がいない時間帯でも、あらかじめ許可された範囲と安全条件の中で、互いに確かめ合いながら仕事を進め、その結果を人へ報告します。単独のロボットを増やすのではなく、現場全体を理解して協力するAIスタッフのチームをつくれることが、大きな優位性です。
HACHICLEは、標準モデルでも階段を上り下りでき、段差のある施設を移動しながら、案内、巡回、点検、記録などの仕事を行えます。さらに、より厳しい現場に向けてHACHICLE Proをご用意しています。HACHICLE Proは、防水・防塵性能を備え、五十キログラムを超える荷物を載せて長距離を運ぶことができ、氷点下二十度から五十度までの広い温度域で運用できます。日常的な案内や巡回を軽快に担うHACHICLEと、重積載や過酷な環境にも対応するHACHICLE Proを、現場の条件や任せたい仕事に合わせてお選びいただけます。
こうしたHACHICLEを支えているのは、製造現場で鍛えられたプロダクト群の高精度な画像認識、計測、数理解析、AI、ロボティクス技術です。厳しい精度と安定性が求められる製造現場で磨いてきた技術を、製造だけにとどめず、物流、建設、商業施設、医療・研究、インフラ・エネルギーなど、さまざまな業界へ丁寧に展開していきます。
工場では、圧力計や温度計、表示灯を読み取り、漏水、錆、破損などの外観変化を同じ基準で記録します。定型的な巡回や転記をHACHICLEが支えることで、担当者は原因分析、改善活動、予防保全など、経験を生かす仕事へ集中しやすくなり、点検記録のばらつきや見落としも抑えられます。
物流センターや倉庫では、搬入口、シャッター、非常口、設備ランプ、パレット周辺を巡回し、必要に応じて部品や資材を搬送します。複数台が巡回、確認、搬送を分担することで、広い施設を探し回る負担が軽くなり、止められない業務を途切れさせずに支えられます。
建設現場やビル管理では、屋外通路、階段、機械室、屋上設備などを巡り、施工状況や設備の状態を記録します。人が向かう前に現場の様子を把握できるため、必要な装備や対応を整えやすくなり、安全を大切にした作業計画につながります。
オフィス、商業施設、公共施設では、来訪者の受付、担当者への通知、会議室や店舗への案内、施設に関する質問への多言語対応を担い、営業時間後は巡回へ役割を切り替えます。定型的な案内を丁寧に引き受けることで、スタッフは目の前のお客様への心配りや、より温かな応対に時間を使えます。
病院、研究施設、高齢者施設では、施設案内、物品の搬送、共用部の巡回、設備確認を支えます。医療行為や研究判断、人による温かなケアを代替するものではありません。移動、案内、記録の負担を和らげ、専門職の方々が患者様や研究、入居者様に向き合う時間を守るための存在です。
発電所、上下水道、ガス設備、変電所、プラントなどでは、危険が疑われる場所へ先に向かい、設備の映像、計器、警告灯の状態を管理者へ送ります。人が現場へ入る前に状況と場所を把握できるため、必要な準備を整え、より安全で落ち着いた対応につなげられます。
HACHICLEは、固定カメラや既存センサー、人による巡回をすべて置き換えるためのものではありません。固定設備の死角へ向かい、センサーが知らせた場所を近くから確かめ、判断に必要な情報を人へ渡します。今ある仕組みを生かしながら、人とAIロボットが得意な役割を分けることが、無理のない導入と長く続く運用につながると考えています。
だからこそ、最初から多くの仕事を任せていただく必要はありません。まずは一つの案内業務、一つの巡回ルート、一つの点検対象から始め、実際の現場で会話、移動、認識、記録、通知までをご確認ください。効果と安全性に納得いただきながら、任せられる仕事を少しずつ増やしていきます。
AIの価値は、単に人の仕事を減らすことではありません。受付の方がお客様への心配りに、設備担当者が改善と予防に、警備の方が異常時の判断に、医療や介護の方が人に向き合う時間に、もう一度力を注げるようにすることです。お客様の現場に、止められない仕事、もっと頻繁に確かめたい場所、人が向かう前に状況を知りたい場所がございましたら、まずはHACHICLEが実際に働く姿をご覧ください。目の前の一つの仕事から、お客様とともに、誠実に新しい働き方を育ててまいります。
