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豊田通商様【対話型AIチャットボットインタビュー】


豊田通商 内田千英様 宋泰淑様

総務や経理、財務など、社内から同じような質問をたくさん受ける部署で活用できるのではないでしょうか


営業部門からの問い合わせ対応をより効率化するためArithmer Botを導入


対話型AIチャットボット「Arithmer Bot」は業務マニュアルなどをAIで学習し、社内からの問い合わせに自動で回答するチャットボットです。今回はArithmer Botを導入し、営業部門からの問い合わせ対応について効率化を図る豊田通商様の物流部門・グローバル調達グループの皆様に導入の狙いなどについて伺いました。



■今回、Arithmer Botを導入いただいた部門の業務内容を教えてください。


内田 千英様(以下、内田):我々は物流部門の中で集中購買という役割を担っています。具体的な業務内容としては、営業が獲得してきた案件で、実際に海外とモノを輸出入する際に海運会社を通して物を運ぶための契約を締結するためのサポートをしています。



■Arithmerのシステムを導入したきっかけを教えてください。


豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 内田 千英様

内田:実は、当社とArithmerとの取引はチャットボットが最初ではありません。集中購買を効率化するためのAIを使ったシステムを共同で開発し、2021年9月には特許を出願しています。





豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 内田 千英様


まずはこのシステムの概要をお話ししましょう。集中購買では1年間、モノを運ぶ契約を結ぶために複数の船会社に応札してもらい、その中から契約する企業を選定します。応札する船会社の数は約40社あり、応対する社内の営業は何百人もいます。

そしてこれら双方から入ってくる大量の情報を整理し、最適な契約先を選ぶのは容易ではありません。選定期間は3週間ほどですが、その間にエクセルにある何千ものデータを我々のチーム6人で精査しなければならないのです。

全社的にもデジタル化によって機械に任せられるところは任せ、人間はもっと専門的な分野に集中するという方針を掲げています。そこでAIを使って最適な選択肢を抽出し、人間が最終判断するためのシステムをArithmerと共同開発してきました。船主を選ぶ基準は価格だけではありません。営業部によって重視する条件が異なるのでそうした傾向も学習しながら最適な船主を紹介できる、そんなシステムを共に構築しているところです。



■集中購買を最適化するためのシステムに続き、チャットボットを導入すると決めた理由を教えてください。


豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 市川 佳奈様

市川 佳奈様(以下、市川):豊田通商は商材ごとに7つの本部があり、各部門に営業がいます。集中購買の船主選定の時期には、その営業からバラバラに「どの船がいいか」「この航路は集中購買で取り扱っているのか」といった問い合わせがくるわけです。


豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 市川 佳奈様


我々は6人でこの対応に当たっていますが、営業の部門が違っても、実は共通の質問が多いのです。そこでこうした簡単に答えられるような問い合わせへの対応をより効率化できないかと考え、チャットボットの導入を検討しました。

また、現在はArithmerと共同開発した集中購買のシステムを導入し、その選定結果を見ながら従来以上に営業部にも選定に関与してもらおうとしています。新規導入だけに、従来からあった物流に関する質問に加えてシステムの使用方法などについて質問が増えるだろうと考えました。そこで、システム導入に合わせてチャットボットを取り入れることを決めました。

2020年は新型コロナウイルスの流行で、コンテナの空きスペースを確保できないなど、物流輸送についても打撃を受けました。例年にも増して営業部からの問い合わせが集中したため、業務効率化が急務となったということも背景にはあります。



■6人で1日にどれくらいの問い合わせに対応しているのでしょうか。


市川:集中購買の契約先の選定の直前など、ピーク時には問い合わせへの対応が業務の半分くらいを占めることもあります。

内田:足元では、コンテナが確保できないなどのトラブルに対する支援要請が多く、1日に100件超のメールがくることもあります。システムの使い方などシンプルに答えられる質問への対応についてはまさしく猫の手もかりたい状態となっています。



■社内からの問合せ対応について、他のシステムの導入などは検討しましたか。


市川:回答集を作る準備は進めていました。

豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 宋 泰淑様

宋 泰淑様(以下、宋):すでに使っているシステムで代用できそうなものもあったのですが、Arithmer Botではチャットボットの回答について、ユーザーである営業部が「いいね」「悪い」と評価できる点がいいと感じました。



豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 宋 泰淑様


ユーザーが評価した回答が上に表示されるほか、やりとりのログが残るのでそれを見て我々が後から振り返ることもできます。ログを見て不十分だと感じた回答については改善していくことができるわけです。


市川:社内で作成していた運用マニュアルを活用してチャットボットを作成できる、という点も大きなポイントでした。Arithmerとはすでに集中購買のシステムを共同開発しており、業務内容や解決したい問題について深く理解してもらっていたと言う点も、選定の決め手になりました。



■導入までのプロセスを教えてください。


市川:まずは、営業部からよく受ける質問を洗い出しました。


豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 猪股 勇斗様

猪股 勇斗様(以下、猪股):それと並行して回答に用いるためにチャットボットに用いるマニュアルを作り込んでいきました。既存のマニュアルももちろん活用しましたが、営業部が欲しい情報を提供できる回答を表示できるかどうかは、マニュアルをどれくらい作り込めるかがカギを握ります。

豊田通商 物流部 グローバル調達グループ 猪股 勇斗様


現在は集中購買をグローバル調達グループに依頼する際のプロセスを記したものなど、6つのマニュアルをチャットボットに学習させています。今後もこうしたマニュアルを増やして回答の精度を増していく予定です。

市川:こうして作ったマニュアルを学習させたチャットボットで、適切な回答が表示されるかどうかについては長期間に渡ってテストしました。導入前には我々も毎日10〜20個、チャットボットで質問をして、回答内容についてテストして評価していきました。


当社でのチャットボットは今まさに運用を開始したところです。自分たちが重視していた質問や回答がユーザーである営業部の担当者にとって適切かどうかはこれからも確認していく必要があるでしょう。回答の精度を上げていくことで、問い合わせの50%くらいにチャットボットが対応できるようになってくれれば、と考えています。


内田:今回は集中購買部門で導入しましたが、社内から多くの問い合わせを受けるグループは物流部で他にもあります。今回の取り組みを進化させ、ゆくゆくは他でも活用してもらい、全体の業務効率化を進めていきたいと考えています。



■チャットボットを導入してみて、ほかにどんなユーザーであれば活用できると感じましたか。


Arithmer株式会社 営業企画本部 名古屋営業所 柴田(左)/ 営業企画本部 関谷行矩(右)

Arithmer株式会社 営業企画本部 名古屋営業所 柴田(左)/ 営業企画本部 関谷行矩(右)


市川:総務や経理、財務など、社内から同じような質問をたくさん受ける部署では活用できるのではないでしょうか。


宋:また、コロナ禍でリモートワークが普及しましたが、それにより担当者が捕まらないケースも増えています。リモートワークを推奨している企業でも有効でしょう。


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